トップランナー講演

書家・紫舟さんが体験から得た、世界に通じる
無限の発想とコラボレーションの法則

書家・紫舟さんが体験から得た、世界に通じる無限の発想とコラボレーションの法則

2016.11.10

  • トップランナー講演

無限に発想するための公式

ここからは皆さんと一緒に、発想していきます。

私に求められている仕事は、発想だと常々思っています。ですから無限に発想していく必要もあります。
では、無限に発想していくためにどうしているか。普段自分の頭の中で起こっていることを簡単な公式にしてみました。

発想の公式

(A-1)×B=文脈
A:自分のジャンル(新しい発想をとりいれたいもの)
B:興味のあるもの

あるもの「A」から1つ引いて、全く別のもの「B」を掛けて、それがきちんと文脈に則るということを重視しています。「A」というのは新しい発想をとりいれたいものを指します。そして「B」は興味のあるものや関心のあるものとか掛けたら面白いと思うものです。

まず重要なことを引いてみる

発想の最初からつい足したり掛けたりしてしまうんですが、まず引くことが大切です。

そして最も大事なことは、自分の頭とか知恵とか経験値とか、それだけで考えないということを、いつも自分自身に言いきかせています。

私の場合、ジャンルは書です。まず書の中から、平面とか紙とか墨とか、書を構成している主要な要素を1つ引きます。そしてそこに別のジャンルのもの「B」を掛け合わせます。そうすると、いろんなものが無限に作れますが、ただ面白おかしいものを作りたいのではないので、必ず文脈に則ったものを作るようにしています。

この法則を使うと、いろいろな問題解決や、新しい商品や世界中の人がまだ見たことがないものなど、簡単に作れたります。

例えば銀行。銀行で大事なのが現金ですが、銀行から現金を引いて何を掛けるか……。ITを掛けるとネット銀行とか電子マネーとか、そういったところになると思います。

まず試しに自分にとって重要な、それを構成している要素を引いてみると、結果は意外に簡単に出たりします。

日本人と西洋人の物の見え方には違いがある

次に日本人と西洋人の物の見え方の違いについて、少しお話しようと思います。

私たち日本人と西洋の人たちは、同じものを見ていても、見えるものが全く違うようです。例えば道を歩いていて、矢印が上に向いていたとします。日本人が見ると、この矢印は前進ですが、フランスですと後ろです。彼らにとっての前進は下向きの矢印ですね。

ほかにも日本語の「の」は右回りの動きですが、「a」は逆回しです。小文字の「d」もそうですね。私たち日本人は、知らず知らずのうちに、いろいろなものを右回りで作ったり置いたりするようです。それは西洋の人たちには非常に違和感がある。なぜなら西洋の人は左回りが気持ちいいから。でも逆に言うと、西洋に日本をアピールするときに、左回りの中に1つ右回りを入れると、日本らしさを感じるのだそうです。

ほかにも本の開き方が、右開きと左開きで違う。目の動き方が違うということですよね。

造園は、西洋は必ず左右対称にしますが、日本は非対称です。西洋人は左右非対称を見ると、そこに何かがあると頭の中で置き換えて理解するのだそうです。ですから西洋向けにパンフレットを作るとか、何か展示をするというときには、対称の中に少し非対称を入れるというのがいいようです。

自分を見つめ、感動を生み出すコラボレーションを

次に、コラボレーションについてお話しようと思います。

私は先ほど見ていただいたようにコラボレーションの作品もたくさん作っています。自分のやりたいことは何かというのを丁寧に見つめるようにしています。そして私の場合はアートですので、他者に深く感動していただき、心を揺さぶることが求められます。

初期のころからずっとコラボレーションを続け、今も大切にしているのは、世界中の人を感動させることができるアイデアがあるのに、お金がないからできないというのはつまらない。だったら作ろうと。仲間やコラボ相手は、そんなことを思ってくれるような人たちと組んできました。

ルールや制約に縛られず、思考を自由にする

私たちは、世界中の誰も見たことがないもの、まだ誰もやっていないこと、イノベーションを起こせるようなものを作りたいと思っています。そういったときにはルールや制約を越えるということが非常に重要だと思います。そして自分自身を解放することや、思考を自由にするということを意識しています。

日本のビジネスマナーや慣習も疑って見るようにしています。

実際、コラボレーションするときは、まず「報・連・相(ほう・れん・そう)」はしない。根回しもしませんし、会議のための会議も行わないです。名刺はその人の身代わりだから大切にしなきゃいけないと教わりましたが、名刺はやっぱり紙でしかないので、名刺よりも目の前の人をちゃんと見たり感じるようにしています。あとは立派な資料は作らないようにしています。資料を作るよりも、言葉を交わしてブレストするようにしています。

こういったものをちょっとずつ手放すと、ルールや制約に縛られない考え方ができるようです。

コラボするときには、自分にしかできない特技をはっきりと持ち、チームの中での存在価値を持つようにしています。

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